セルフヘルプグループについて

セルフヘルプグループは、生きづらさや生活困難を抱える当事者が集まり、お互いを気持ちを情報を分かち合いながらお互いをエンパワーしていく、当事者のグループです。

「サロン」もこのセルフヘルプグループ(SHG)の一つです。

『セルフヘルプグループ』の作り方

セルフヘルプグループを運営するのには、ちょっとしたコツがあります。

3人仲間が集まれば、セルフヘルプグループができる

まず同じ特性をもつ仲間と出会うこと。同じ生きづらさや困難をもつ仲間であるというだけで、一瞬で打ち解けてしまうことができてしまいます。ネットでのやりとりも時には大変助けになります。しかし、文字だけでのやりとりでは誤解も多く、細切れの人間関係しか築くことができません。実際に会って、顔を見て話すことは人間関係を築くために大切なことです。

サロンではこんな会話が…

「私は職場でも話についていけなくて、どうしても自分だけ浮いちゃう気がして…」

わかるわかる…

「私は遅刻とか、半端じゃないんだよね。大事なこともすぐ忘れちゃうし…」

私もそう!この間もこんな失敗が……私も!私も!

「それなのに、自分の好きなことだけは忘れなかったりするから余計怒られるし…」

そうなんだよね…

「だけど時々、これは周りの人よりできるかも!って思えるものもあったり…」

そうそう!

「悪いところばっかじゃないし、きっとなんとかできるよね!」

うんうん、ホントだね。私もそう思うよ。

まずは受け入れられ、このような共感的理解を得ることで、安心して心を開いて話すことができます。

ルール① 

共感的理解を得るためには、その場が安全で安心できることが大切です。体験を語るときは、批判・否定・アドバイスは禁止です。「体験」はその人自身のもの。感想や自分の体験を語るのはOKですが、違うと思っても否定したりせずに、違うと感じる自分の気持ちを「…と思うよ」という形で伝えてみましょう。

情報交換と自己選択(情報リテラシー)

例えば、診断はどこで?どんなことを聞かれるの?治療の内容は?薬以外で対処する方法がある?カウンセリングは受けたほうがいいの?生活での工夫は?就職や結婚は?

1対1の相談と違って、サロンでならいろいろな人の情報や体験談を一度に聞くことができます。特に同じタイプの人や、似たタイプや生活環境の仲間の体験はとても参考になります。

このような、体験的専門的知識は、専門家の専門的知識にも匹敵するものです。

ルール② 

情報を得るときに大切なことは、「自己決定」です。一般的に障害や病気で支援を受ける人は、自己決定をなかなかさせてもらえないことも多いのですが、セルフヘルプグループでは自己決定が基本です。どのような情報を取り入れ、自分のために生かすのかは自分の責任に基づいて決定されなければなりません。

定期的に、継続して開催しよう

サロン(例会)は定期的に開催するのが理想的です。1ヶ月ごとでも2ヶ月ごとでも構いません。世話役のできる範囲が基本です。できれば場所も同じであるほうが長続きもしやすいです。また参加するほうも、今回行けなくても次には行ける、また次があると思うことで気が楽になります。実際今年8年目の「ほっとサロン」は毎月続けていますが、毎月参加する人、2,3ヶ月ごとの人、半年や一年に1度ぐらいの人といろいろです。

続けて参加する仲間ができれば、継続して情報を交換できます。

例えば…ずっと探していたけれど、アドバイスをもらって良い主治医が見つかったよ。よく効く薬が見つかったよ。就職できたよ。家族とケンカしてたけど、仲直りできたよ。仕事を辞めさせられそうだよ…。

こんなふうに、生活の中での嬉しいできごと、辛いできごとも仲間と分かち合えば、喜びは倍に、苦しみは半分になります。グループに出会うことで、それまでの失敗経験も、成功経験もわかちあうことができます。そしてその人自身がリソース(資源)となり、存在自体がそのグループにとってかけがえのないものになるのです。そして仲間と継続的に関わっていくことで、前向きに特性を受け止め、自分の生活を自身の選択で改善し、自分の力でよりよく生きていくことができるということに気づくでしょう。

このようにグループに参加する当事者同士がお互いを援助しあい、エンパワメントしていけるというのがセルフヘルプの援助者治療原則です。

専門家と上手につきあいましょう

医師に「大人には発達障害はない」とか問診だけで「違う」と言われた。「あなた程度では診断できない。普通に見えるから大丈夫でしょう」と決め付けられた。新しく処方された薬のことについて知りたい。こんな時に、仲間に相談できるのは、とても心強いことです。

「それはひどいよね。別のお医者さんにも行ってみたら?」「困っていることを、こんな風に伝えてみたら?」「そのやり方ならその医師は信頼できると思うよ」など、客観的な意見を聞くことができます。

お医者さんでも必ず正しいとは限りません。特に発達障害の診断基準は数値で定まっているものではなく、また目で見てわかるものではありません。診断方法も病院によって異なり、同じ主治医でも途中で診断名が変わることもあります。さらに、成人の発達障害となると、臨床経験のある医師はほとんどいないのが現状です。

当事者が行うサロンでは原則として脱専門家至上主義であることが望ましいと考えます。

 

グループを継続するコツは?

1から始めないこと!……これはセルフヘルプグループの鉄則です。

頑張りすぎないこと!……しんどかったら、いったん休んでまた始めればいいのです。

ルールを守ること!……  会で決めたグランドルールが守られて始めて、安全な場所になります。

『関西ほっとサロン』をはじめとする、当事者サロンのグランドルールはこちら
www.adhd-west.net/salon

そして、

自分と仲間のよりよく生きる力を信じること。

やっぱりこれが大事かな(^^)

【参考資料】
「セルフヘルプ・グループ一問一答」伊藤伸二・中田智恵海 編著 (解放出版社2001年)

Copyright(c) 2011-2016 NPO法人DDAC(発達障害をもつ大人の会) All Rights Reserved. Designed by o2BusinessTheme